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流体全般

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LESでの時間ステップの決め方

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      LESは非定常な乱流流れを精度良く計算できる手法ですが、ここではその非定常計算の時間ステップ(Δt)の決め方について説明します。 非定常計算の場合のΔtは通常は下記の2点によって決定されます。 1.捉えようとする非定常現象を解像できるかどうか。 2.計算が安定に実行できるか。 1については、例えば10Hzの現象があるとするとこれを捉えるために例えば20分割した200Hzの時間ステップ(Δt=5e-3[s])で計算する、といったように決定されます。 ※音響解析の場合などは高周波の音を捉えるために非常に小さなΔtが必要とされます。 そのうえで,計算が不安定な場合はより時間ステップを小さくして計算する必要があります(2の条件). ※一般にΔtを小さくした方が計算が安定な為。 また、時間的な変動が非常に緩やかな場合は(例えば室内の温度が徐々に上昇していくような場合)、計算安定性を確保できる範囲内でより大きいΔtを決めることになります。 以上は一般的な非定常計算の場合のΔtの決め方ですが、LESの場合はこれに加えて下記の条件が加わります。 3.セルクーラン数が1以内 セルクーラン数とは、CFL_cell = Δt*流速/セル長さで定義される無次元数で、流れがセルを横切る間に何回時間が刻まれるかを表した数です。 LESの場合は対流項の離散化に2次精度中心差分を使うことになりますので、この数が基本的に1より小さく ないと安定に計算できませんので3の条件が加わることになります(多少1より大きくても計算可能な場合はありますが)。 多くの場合、3を満たす場合は1,2の条件も満たす場合が多いのでLESのΔtは3の条件によって決まる場合が多いです。 具体的な決定方法は下記のようになります。 まず、セルの長さを見積もります。メッシュ作成時点で分かっていればその値を使用すれば良いですし、 良く分からない場合はFLUENTで数値を取得することになります。 直接コンタ等で表示する変数がありませんので、カスタムフィールドファンクションでセル体積の三乗根を取った 変数を作成して表示し、これにより最小のセル長さを取得します。 次におおよその最高流速が予測できると思いますので、これらを用いてΔt=CFL_cell*セル長さ/流速 を求めます。 これを用いて計算すればおおよそセルクーラン数が1以下になります。 このΔtは予測値ですのである程度計算を進めてから実際にセルクーラン数が1以下になっているかどうか確認してください。 また計算後ですとコンターのvelocity/Cell Courant Numberで表示可能です(圧力ベースソルバの場合)。