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Wataru Nakayasu
Ansys Employee

ペナルティ法ベースの定式化(拡大ラグランジュ法・ペナルティ法)においては、理論背景から必ず「貫通」が発生いたします。
従って、この貫通量が「解析結果として無視できる位の値に収まっているか」をご確認頂くことで、解の妥当性の確認を行うことが一般的です。

例1:物体厚さ10mmの部分に対して接触貫通量が0.001mmと計算された場合
 ・トータル厚さに対して0.01%の貫通量となるためこちらは無視できる可能性があります。

例2:荷重の押し込み方向に対する変形量:10.0mmに対して接触貫通量が0.001mmと計算された場合
 ・こちらも全体変形量に対して接触貫通量の割合は0.01%と全体剛性には影響しない程度にかなり硬い接触剛性が適用されていると判断できるかと思慮いたします。

例3:例2で全体変形量:10mmに対して接触貫通量:1.0mmと計算された場合
 ・全体変形量に対する接触貫通量が10%と高いため、接触部の貫通で10%、全体変形に影響を与えていると推察できます。
 ・この場合、接触剛性が弱すぎることが想定されるため、再計算が必要となる可能性があります。

 

また、上記は解析モデル上での妥当性の確認例となりますが、例えば解析モデルと実機試験において、入力荷重と変形量の関係がほぼ一致していれば、接触部に対するモデル化も妥当と思われます。
一方で、接触を有する解析結果と実機試験において反力や変形量に有意な差が発生している場合、接触部分のモデル化を見直す必要も出てきます。


上述したように全体変形量や貫通量はどのように解析モデルを作成したか、若しくはどのような事を評価したいかに依存するため、妥当性の判断という意味では解析を実施されているユーザー様にご判断頂く必要がございます。